防犯カメラのモニターにノイズ発生!電動シャッター開閉時の映像トラブルを解決した施工事例
防犯カメラの映像が突然乱れる、数秒間画面が真っ暗になる、モニターに「映像信号無し」と表示される。
このようなトラブルは、必ずしも防犯カメラやレコーダーの故障が原因とは限りません。
今回は、介護施設で発生した防犯カメラモニターの映像トラブルについてご紹介します。
こちらの施設では、防犯カメラの録画装置(DVR)から映像信号を2分配し、別室にもモニターを設置していました。
ところが、事務所に隣接する売店の電動シャッターを朝に開けるときだけ、別室のモニター映像が乱れるという現象が発生しました。
配線や電源を見直しても改善せず、最終的には映像エクステンダーを別メーカーの製品へ交換することで解決しました。
防犯カメラ工事では、カメラ本体だけでなく、映像を伝送する周辺機器の選定も重要であることを実感した事例です。
介護施設で防犯カメラ映像を別室へ出力
今回の施工現場は介護施設です。
事務室にある倉庫内へ、DVR(デジタルビデオレコーダー)とモニターを設置しました。
さらに、別室でも防犯カメラの映像を確認できるようにするため、DVRからの映像信号を2分配しました。
1系統は倉庫内のモニターへ出力。
もう1系統は、映像エクステンダーとCat6 LANケーブルを使用し、別室の壁掛けモニターへ出力する構成です。
映像エクステンダーとは、映像信号を離れた場所まで伝送するための機器です。
今回のようにDVRとモニターが離れている場合、対応するエクステンダーを使用することで、LANケーブルを伝送路として映像を送ることができます。
なお、今回のLANケーブルはエクステンダー間の映像伝送に使用するものであり、通常のネットワーク通信とは用途が異なります。
朝、電動シャッターを開けるときだけノイズが発生
施工後、思いがけない問題が発生しました。
事務所に隣接する売店には、電動シャッターが設置されています。
毎朝、営業開始時にこのシャッターを開けるのですが、その際に限って別室の壁掛けモニターにノイズが発生するのです。
症状は次のようなものでした。
モニター映像が一時的に乱れる
場合によっては数秒間画面が真っ暗になる
モニターに「映像信号無し」と表示される
一方、DVRが設置されている倉庫内のモニターには、まったくノイズが発生しません。
さらに不思議なことに、夕方、同じ電動シャッターを閉めるときにはノイズが発生しませんでした。
つまり、朝のシャッター開放時だけ発生する、再現性のある映像トラブルでした。
DVR側のモニターは正常。原因はどこにある?
今回、原因を切り分けるうえで重要だったのが、倉庫内のモニターは正常だったという点です。
DVR自体や防犯カメラの映像に問題があれば、両方のモニターに異常が出る可能性があります。
しかし実際には、エクステンダーを経由した別室のモニターだけに異常が発生していました。
そこで、DVRから別室モニターまでの映像伝送経路に着目しました。
電動シャッターにはモーターや制御回路が使用されています。
これらの電気機器の動作に伴って発生する電磁ノイズが、映像伝送に影響を与えている可能性が考えられました。
ただし、電磁ノイズの測定までは行っていないため、この段階ではあくまで原因の候補です。
そこで、比較的簡単に実施できる対策から順番に試すことにしました。

対策① LANケーブルを電源ケーブルから離す
最初に試したのは、LANケーブルの配線ルートの見直しです。
天井裏には、電源ケーブルなどさまざまな配線が通っています。
映像伝送用のケーブルが電源ケーブルの近くを通っている場合、条件によっては電磁的な影響を受ける可能性があります。
そこで、エクステンダー用のCat6 LANケーブルを、天井裏の電源ケーブルから十分に離隔させました。
しかし結果は、改善なし。
電動シャッターを開けると、従来どおりモニターにノイズが発生しました。
対策② エクステンダーの電源系統を変更
次に疑ったのが、エクステンダーへ供給している電源です。
電動シャッターの動作に伴う電源側の変動やノイズが、エクステンダーの動作に影響している可能性も考えられました。
そこで、エクステンダーの電源を別系統へ切り替えることにしました。
しかし、こちらも結果は、改善なし。
シャッター開放時の映像の乱れは解消しませんでした。
対策③ エクステンダーを他社製品へ交換
ここまでの対策で改善しなかったため、次にエクステンダー本体を見直すことにしました。
今回のような映像伝送機器は、同じような機能を持つ製品でも、内部回路やノイズ対策、信号処理の方式などが異なります。
そこで、使用していたエクステンダーを取り外し、別メーカーのエクステンダーへ交換しました。
すると、結果は明確でした。
電動シャッターを開けても、モニターにノイズが発生しなくなりました。
これまで発生していた画面の乱れや、一時的なブラックアウト、「映像信号無し」の表示も確認されなくなりました。
ようやく問題を解決することができました。
今回の対策結果を比較

今回は、配線の引き直しなど大がかりな工事をできるだけ避け、簡単に実施できる方法から順番に確認しました。
シールド付きLANケーブルへの再配線も対策候補の一つですが、天井裏の配線をやり直すには時間と手間がかかります。
そのため、今回は再配線を行う前に機器の変更を試し、結果的に問題を解決できました。
なぜメーカーを変えただけで改善したのか?
今回、エクステンダーを別メーカーの製品へ交換したことでノイズが解消しました。
では、なぜ改善したのでしょうか。
考えられるのは、機器ごとの耐ノイズ性能や映像信号処理の違いです。
電動シャッターの動作に伴い、何らかの電気的な影響が発生していたとしても、すべての機器が同じように影響を受けるとは限りません。
機器によっては、信号の乱れに対して比較的安定して動作できるものもあります。
また、映像信号が一時的に不安定になった際の再同期処理などにも、製品ごとの違いがあります。
今回の結果からは、最初に使用していたエクステンダーを含む映像伝送系統が、シャッター動作時の影響を受けやすかった可能性が考えられます。
ただし、実際にどの部分で障害が発生していたのかを測定・特定したわけではありません。
そのため、エクステンダー内部のどの回路が原因だったのかまでは断定できません。
重要なのは、同じ配線環境でも、使用する機器によって映像の安定性が変わる場合があるということです。
防犯カメラの映像トラブルはカメラが原因とは限らない
防犯カメラの映像にノイズが出ると、
「カメラが故障したのでは?」
「DVRに問題があるのでは?」
と考えがちです。
しかし、防犯カメラシステムには、カメラやDVR以外にも多くの機器が使用されています。
映像分配器、エクステンダー、モニター、LANケーブル、電源装置などです。
今回のように、DVRに直接接続したモニターは正常で、延長先のモニターだけに異常が発生する場合には、映像伝送経路を切り分けて確認することが重要です。
また、特定の設備が動作したときだけ症状が発生する場合は、その設備との関連性も調べる必要があります。
介護施設ではモニター映像の安定性も重要
介護施設では、スタッフが施設内の状況を確認するために、防犯カメラの映像を利用することがあります。
別室にモニターを設置することで、DVRが置かれている場所へ移動しなくても映像を確認できるようになります。
しかし、必要なときに画面が真っ暗になったり、映像が乱れたりするようでは、安心して運用できません。
今回の現場では、電動シャッターを開けるという日常的な操作が、別室モニターの映像に影響していました。
防犯カメラシステムを安定して運用するには、カメラの画質や録画性能だけでなく、映像を確実にモニターへ届けることも重要です。
まとめ|エクステンダーの交換で映像ノイズを解消
今回は、介護施設で発生した防犯カメラモニターの映像トラブルをご紹介しました。
DVRから映像を2分配し、Cat6 LANケーブルとエクステンダーを利用して別室へ映像を出力したところ、隣接する売店の電動シャッターを朝に開けるときだけ、映像が乱れるという現象が発生しました。
倉庫内のモニターは正常で、エクステンダーを経由したモニターだけに異常が発生していたため、映像伝送経路を中心に調査しました。
配線ルートの変更、電源系統の変更では改善しませんでしたが、エクステンダーを他社製品へ交換したところ、ノイズは解消しました。
今回の施工を通じて改めて感じたのは、防犯カメラシステムの安定性は、カメラやDVRだけで決まるわけではないということです。
映像分配器、エクステンダー、配線、電源など、周辺機器も含めたシステム全体の設計と施工が重要です。
関東セキュリティでは、防犯カメラの設置だけでなく、映像が乱れる、モニターが映らない、録画映像を別室へ表示したいといったご相談にも対応しています。
防犯カメラは、設置して終わりではありません。
長期間、安定して映像を確認できることまで含めて、防犯カメラシステムの品質だと考えています。

コメント