気温33度の昼間にクリニックへ侵入|窃盗被害を受け、緊急でAIカメラを増設
- TN(技術担当)
- 4 日前
- 読了時間: 9分
千葉県内にある、弊社のお客様のクリニックが窃盗被害に遭いました。
犯行が行われたのは、夜間ではありません。気温が33度を超える夏の日の午後1時30分頃でした。
クリニックは休診日で、周辺は閑静な住宅街です。普段から通行人が少ない時間帯と場所が狙われ、2人組の侵入者によって、現金や貴金属など合計約100万円の被害が発生しました。
防犯カメラには、犯人の姿や侵入時の様子に加え、犯行に使用された車両のナンバープレートも記録されていました。その後の捜査で、この車両は盗難車であることが判明しています。
なお、この記事の作成時点では、犯人はまだ逮捕されていません。
真夏の昼間に現れた不審な2人組
防犯カメラに記録されていたのは、同じような服装をした2人組です。
2人ともジーパンを着用し、白い長袖のパーカーで頭部を覆い、マスクを着けていました。さらに、バールを2本持っていました。
当日の気温は約33度です。
真夏の昼間に、長袖のパーカーで頭や顔を隠し、バールを持ち歩く姿は、明らかに周囲から目立つ服装でした。
しかし、クリニックの周辺は閑静な住宅街で、昼間でも通行人はほとんどいません。休診日で人の出入りがないことも、事前に把握していた可能性があります。



防犯カメラには犯行車両のナンバーも記録
防犯カメラには、2人組の姿だけでなく、犯行に使用された車両とナンバープレートも映っていました。
記録された映像は警察へ提出され、その後の捜査で、犯行に使われた車両は盗難車であることが判明しました。
侵入者は、服装やマスクで顔を隠すだけでなく、盗難車を使用するなど、身元を特定されにくくする準備をしていたと考えられます。
休診日や人通りの少ない時間帯、外部から見えにくい侵入口などを把握していたことからも、事前に十分な下見を行ったうえで犯行に及んだ可能性があります。
カメラに車両のナンバーが鮮明に記録されていたことは、警察の捜査に役立つ重要な情報となりました。
しかし、この記事の作成時点では、犯人はまだ逮捕されていません。
今回の事件からも、防犯カメラには人物の姿だけでなく、車両の形状や色、ナンバープレートまで確認できる画質と設置位置が求められることが分かります。
前日の夜から不審者情報があった
クリニック周辺では、事件前日の夜にも不審者に関する通報がありました。
さらに、事件当日にも不審者の目撃情報があったとのことです。
犯行時間や侵入口、休診日の状況などを考えると、侵入者は偶然クリニックを見つけて入ったのではなく、事前に周辺を下見していた可能性があります。
特に、次のような点を把握していたと考えられます。
クリニックの休診日
昼間でも通行人が少ないこと
建物側面が外部から見えにくいこと
侵入に利用できる窓の位置
防犯カメラの設置場所や向き
クリニックの2階が住居になっていること
窃盗犯は、人目につきにくい時間帯や侵入口を事前に確認し、犯行に及ぶことがあります。
「昼間だから安全」「住宅街だから不審者が目立つ」とは限りません。
塀に囲まれた室外機置場から侵入
侵入口として狙われたのは、クリニック待合室の窓でした。
窓の外側は、クリニック側面にある室外機置場です。周囲を塀に囲まれており、道路や近隣住宅から内部が見えにくい場所になっていました。
侵入者は、この死角となる場所へ入り、待合室の窓ガラスを割って建物内へ侵入しました。
正面玄関のように人目につきやすい場所ではなく、建物の側面や裏側にある窓、勝手口、室外機置場などは、侵入口として狙われやすい場所です。
防犯カメラを設置する際には、建物正面だけでなく、外部から見えにくい場所をどのように監視するかが重要です。
侵入前に防犯カメラの向きを変えられた
侵入者は、建物内へ入る前に、壁面に設置されていた防犯カメラの向きを変えていました。
カメラの向きを変えれば、自分たちの姿が記録されにくくなると考えたのでしょう。
ただし、クリニックの待合室には別の防犯カメラとマイクが設置されていたため、窓から侵入する様子や建物内での行動は、映像と音声の両方で記録されていました。
既存の防犯カメラは、事件後の状況確認や警察への映像提供には役立ちました。
一方で、侵入者が敷地へ入った時点や、カメラの向きを変えた時点で警告を出す機能は備わっていませんでした。
2階の住居から現金と貴金属を盗難
侵入者は、待合室の窓からクリニック内へ入り、その後、建物2階の住居部分まで侵入しました。
現金や貴金属などが盗まれ、被害総額は約100万円にのぼりました。
金銭的な被害だけでなく、窓ガラスや建物の修繕、警察への対応、営業再開に向けた準備など、被害後にはさまざまな負担が発生します。
また、一度侵入されたという精神的な不安は、被害金額だけでは表すことができません。
悔やまれるのは、AIカメラへの更新が間に合わなかったこと
このクリニックに設置していたフルHDのAHDカメラは、設置からすでに約10年が経過していました。
画質面では現在も使用できる状態でしたが、近年のAIカメラに搭載されている侵入検知やタンパリング検知などの機能はありません。
クリニックがある地域は、以前から窃盗事件が比較的多いエリアだったため、弊社ではAIカメラへの入れ替えをご提案していました。
しかし、更新工事を実施する前に、今回の事件が発生してしまいました。
AIカメラを設置していれば、敷地内の指定エリアへ人が侵入した段階で検知し、カメラ本体からサイレンや警告音声を出す設定が可能でした。
また、カメラの向きを変えられたり、レンズを覆われたりした場合には、タンパリング機能によって異常を検知できた可能性があります。
タンパリング機能とは
タンパリング機能とは、防犯カメラに対する妨害行為や異常を検知する機能です。
例えば、次のような状況を検知します。
カメラの向きを変えられた
レンズを布や手で覆われた
カメラにスプレーをかけられた
映像が急に暗くなった
本来の監視範囲が映らなくなった
異常を検知した際には、スマートフォンへ通知したり、サイレンや警告音声を鳴らしたりすることができます。
今回のように、侵入者が最初に防犯カメラの向きを変えるケースでは、タンパリング機能が有効な対策の一つになります。
ただし、AIカメラを設置すれば、すべての犯罪を確実に防げるわけではありません。
カメラの設置位置や検知エリア、サイレンの設定、スマートフォン通知の運用などを、建物の状況に合わせて適切に設計することが重要です。
緊急でAIカメラ5台を追加設置
事件発生後、弊社では緊急対応としてAIカメラの設置工事を行いました。
今回新たに設置したAIカメラは5台です。
建物の外周や侵入経路となりやすい場所を中心に、敷地へ入ってきた人物を早い段階で検知できるよう、設置位置と検知範囲を見直しました。
これにより、指定した警戒エリアに人が入った場合には、AIカメラが人物を検知し、サイレンや警告音声で威嚇することができます。
必要に応じて、スマートフォンへ通知することも可能です。

既存のAHDカメラ5台も継続利用
今回の工事では、約10年前に設置したAHDカメラ5台をすべて撤去したわけではありません。
既存のAHDカメラ5台は、そのまま継続利用しています。
新たにAIカメラ5台を追加し、合計10台のカメラで建物内外を監視するシステムへ強化しました。
既存カメラを継続して使用できた理由は、設置されていた録画機がハイブリッドDVRだったためです。
ハイブリッドDVRならAHDカメラとAIカメラを併用できる
ハイブリッドDVRとは、同軸ケーブルを使用するAHDカメラと、ネットワーク接続するIPカメラの両方を接続できる録画機です。
今回のクリニックでは、既存のAHDカメラを生かしながら、新しいAIカメラを追加することができました。
すべてのカメラを一度に交換する必要がないため、使用できる既存設備を無駄にせず、防犯機能を強化できます。
関東セキュリティでは、将来の増設やAIカメラへの更新も考慮し、ハイブリッドDVRを採用するケースがあります。
現在使用しているカメラの種類や録画機によっては、既存設備を利用しながら段階的にAIカメラを導入できる場合があります。
防犯カメラは「録画するだけ」から「侵入者へ警告する設備」へ
従来の防犯カメラは、事件が起きた後に録画映像を確認することが主な役割でした。
現在のAIカメラは、映像を記録するだけではありません。
人物が敷地へ侵入した時点で検知し、次のような対応ができます。
カメラ本体からサイレンを鳴らす
「ここは立入禁止です」などの警告音声を流す
赤色や青色のライトを点滅させる
スマートフォンへ通知する
遠隔地から映像を確認する
カメラへの妨害行為を検知する
侵入者が建物の中へ入ってから記録するのではなく、敷地へ入った段階で「監視されている」と認識させ、犯行を思いとどまらせることが重要です。
休診日のクリニックは狙われる可能性があります
クリニックや医院は、休診日になると人の出入りがなくなります。
また、建物によっては、受付や事務室に現金が保管されていると思われたり、2階が住居になっていたりすることがあります。
特に注意したい場所は、次のとおりです。
建物側面の窓
裏口や勝手口
室外機置場
塀や植栽で隠れた場所
隣接建物との狭い通路
外から見えにくい非常口
2階へ上がることができる配管や設備周辺
正面玄関に防犯カメラが設置されていても、建物側面や裏側に死角が残っていれば、侵入者に狙われる可能性があります。
設置から年数が経過した防犯カメラは見直しを
防犯カメラは、映像が映っているから問題がないとは限りません。
設置から長い年数が経過している場合は、次の点を確認する必要があります。
現在の録画画質で人物を確認できるか
夜間でも鮮明に撮影できるか
カメラの死角が残っていないか
録画期間が十分に確保されているか
スマートフォンから映像を確認できるか
人物侵入時に通知できるか
サイレンや警告音声を出せるか
タンパリング機能があるか
録画機やハードディスクが劣化していないか
周辺で窃盗や不審者情報が増えている場合は、事件が起きる前に防犯設備を見直すことが大切です。
既存設備を生かしたAIカメラへの更新もご相談ください
今回の事例では、既存のAHDカメラ5台を継続利用しながら、AIカメラ5台を追加設置しました。
防犯カメラの更新は、必ずしも既存設備をすべて撤去して、一から設置し直す必要があるとは限りません。
録画機や配線の状態によっては、既存カメラを活用しながら、侵入されやすい場所だけをAIカメラへ変更する方法もあります。
関東セキュリティでは、建物の構造、周辺環境、過去の被害状況、既存設備の状態を確認したうえで、最適な防犯システムをご提案します。
クリニックや医院の休診日対策、建物側面や裏口の防犯、既存カメラからAIカメラへの更新をご検討の方は、関東セキュリティまでご相談ください。



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