防犯カメラのWDRは何dB必要?120dB・130dBの違いを解説
- TN(技術担当)
- 8月8日
- 読了時間: 6分
更新日:3 日前
防犯カメラの仕様表を見ると、
「WDR 120dB」「WDR 130dB」
などと記載されていることがあります。
WDRが逆光対策に有効なのは分かっても、
「では、何dBあれば十分なの?」
と思われる方も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、WDRはdBの数字が大きければ大きいほど良い、と単純に判断するものではありません。
設置場所の明暗差や撮影目的に合わせて選ぶことが重要です。
今回は、防犯カメラのWDR性能を表す「dB」の意味と、どの程度の数値を目安にすればよいのかを解説します。
そもそもWDRとは?
WDRは「Wide Dynamic Range(ワイドダイナミックレンジ)」の略です。
明るい部分と暗い部分が同じ画面内に存在するときに、白飛びや黒つぶれを抑えて見やすい映像にする機能です。
例えば、店舗の入口を店内側から撮影するとします。
屋外は太陽光で非常に明るい一方、店内はそれより暗いため、通常のカメラでは入口から入ってきた人物の顔が黒く映ってしまうことがあります。
WDRを利用することで、こうした大きな明暗差を補正し、人物や周囲の状況を確認しやすくします。
WDRの「dB」とは?
WDRの性能は、一般的にdB(デシベル)で表記されます。
例えば、
100dB
120dB
130dB
140dB
などです。
簡単にいえば、カメラがどの程度大きな明暗差を扱えるかを示す目安です。
基本的には数値が大きいほど、明るい部分と暗い部分の差が大きい環境への対応力が高いと考えられます。
ただし、ここで注意が必要です。
「130dBだから120dBのカメラより必ず映像がきれい」という意味ではありません。
WDRは何dBあれば十分?
防犯カメラとして使用する場合、120dB前後が一つの目安になります。
ただし、必要な性能は設置環境によって変わります。
大まかな考え方としては、次のようになります。

ただし、この表はあくまで大まかな目安です。
メーカーによって測定条件や画像処理方法などが異なるため、dBだけで機種を比較することはおすすめしません。
120dBあれば十分?
一般的な防犯用途では、True WDRで120dB程度あれば、かなり幅広い環境に対応できます。
例えば、
コンビニの出入口
店舗の入口
オフィスのエントランス
病院の玄関
マンションのエントランス
工場の搬入口
などです。
こうした場所は、建物内部と屋外の明るさが大きく異なります。
特に晴れた日の昼間は、入口付近で非常に強い逆光が発生します。
そのため、入口から入ってくる人物の顔を確認したい場合には、WDR性能が重要になります。
130dBなら120dBより必ず優れている?
必ずしもそうとは限りません。
カタログを見ると、
「120dBより130dBの方が数字が大きいから、こちらの方が高性能」
と考えてしまいがちです。
しかし、防犯カメラの実際の映像品質はWDRだけで決まりません。
例えば、
イメージセンサー
レンズ
画像処理
露出制御
ノイズ処理
設置角度
周囲の照明
なども大きく影響します。
したがって、WDRのdBは重要な比較項目ではありますが、それだけでカメラの性能を判断しないことが大切です。
120dBと130dBはどのくらい違う?
ここは少し注意したいところです。
dBは対数で表現されるため、
「130dBは120dBより約8%高性能」
という単純な比較はできません。
10dBの差は、数字だけを見るとわずかに感じますが、ダイナミックレンジとしては小さな差ではありません。
ただし、実際の防犯カメラ映像でその差がどの程度現れるかは、メーカーの設計や撮影環境によって異なります。
そのため、
「120dBか130dBか」だけで機種を決めるより、実際の設置環境に適したカメラを選ぶことの方が重要
と考えた方がよいでしょう。
WDRが特に必要な場所
WDRが効果を発揮する代表的な場所を見てみましょう。
店舗・コンビニの出入口
店内から屋外方向を撮影すると、晴天時には強い逆光になります。
入口から入ってきた人物の顔を確認するには、WDRが重要です。
マンション・ビルのエントランス
ガラス張りのエントランスも、屋内と屋外で大きな明暗差が発生します。
工場・倉庫の搬入口
大きなシャッターを開けると、屋外から強い光が入り込みます。
暗い工場内部から入口方向を撮影する場合には、WDRが有効です。
駐車場の出入口
屋内駐車場から明るい屋外へ向けて撮影する場合も、明暗差が非常に大きくなります。
WDRを強くすればよいわけではない
WDRは非常に便利な機能ですが、常に最大設定にすればよいわけではありません。
補正を強くしすぎると、機種や環境によっては、
映像が不自然になる
コントラストが弱くなる
ノイズが目立つ
動いている人物の輪郭に影響が出る
などの可能性があります。
防犯カメラでは「設定できる最大値」ではなく、実際の映像を確認しながら設置環境に合った設定にすることが重要です。
WDRとE-WDRは同じではない
カメラの仕様を見ると、
WDR
だけでなく、
E-WDR
と書かれていることがあります。
一般的にTrue WDRは、異なる露光条件で得た情報などを利用して明暗差の大きな映像を補正します。
一方、E-WDR(Electronic WDR)は、主にデジタル画像処理によって明暗差を補正する方式です。
そのため、非常に強い逆光環境では、True WDRの方が有利になる場合があります。
「WDR対応」と書かれているだけで判断せず、どの方式なのか確認することも重要です。
防犯カメラ選びはdBだけで判断しない
防犯カメラを選ぶとき、
「500万画素だからきれい」
「WDR 130dBだから高性能」
といった数字だけで比較してしまうことがあります。
しかし、実際には設置環境との相性が非常に重要です。
例えば、店舗入口なら、
「入口から入ってきた人物の顔を確認したい」
という目的があります。
その目的を達成するには、
WDR性能
カメラの設置位置
カメラの角度
画角
レンズ
人物までの距離
周囲の照明
などを総合的に考える必要があります。
何dB必要か迷ったら「設置場所」から考える
WDRについて、
「何dBあれば十分ですか?」
と聞かれた場合、関東セキュリティでは数値だけで判断するのではなく、まず設置環境を確認します。
一般的な環境であれば120dB前後が一つの目安になりますが、非常に強い逆光が発生する場所では、より高いWDR性能を持つカメラを検討する場合もあります。
反対に、明暗差の小さい場所であれば、高いWDR性能を必要としないこともあります。
必要以上に高いスペックを選ぶのではなく、撮影目的に合ったカメラを選ぶ。
これが防犯カメラ選びでは重要です。
まとめ|WDRは120dB前後を一つの目安に
防犯カメラのWDRは、明るい場所と暗い場所を同時に撮影するときに重要な性能です。
「何dB必要なのか?」については、一般的な防犯用途なら120dB前後を一つの目安として考えるとよいでしょう。
ただし、
120dBなら必ず十分、130dBなら必ず120dBよりきれい
というわけではありません。
設置環境や撮影目的、センサー、レンズ、画像処理などによって実際の映像は変わります。
特に店舗入口、マンションのエントランス、工場の搬入口など、強い逆光が発生する場所では、カタログ上のdBだけではなく、実際に「何を撮影したいのか」からカメラを選ぶことが重要です。
関東セキュリティでは、設置場所や周囲の明るさ、撮影目的などを確認したうえで、適切な防犯カメラをご提案しています。



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