防犯カメラレンズの選び方|焦点距離と画角の違いを分かりやすく解説
- TN(技術担当)
- 8月9日
- 読了時間: 7分
更新日:2 日前
防犯カメラを選ぶ際、
「500万画素だからきれいに映る」「4Kだから遠くまで確認できる」
と、画素数を重視する方は多いと思います。
しかし、実際の防犯カメラ選びでは、画素数と同じくらい重要なのが「レンズ」です。
例えば、同じ500万画素のカメラでも、2.8mmのレンズと6mmのレンズでは、撮影できる範囲や人物の大きさが大きく変わります。
この記事では、防犯カメラの焦点距離や画角、固定焦点レンズとバリフォーカルレンズの違いなど、レンズ選びの基本を分かりやすく解説します。
防犯カメラのレンズとは?
防犯カメラのレンズは、被写体から入ってくる光をイメージセンサーへ届ける重要な部品です。
レンズによって、
どのくらい広い範囲が映るか
人物がどのくらい大きく映るか
どの程度離れた場所を確認しやすいか
が変わります。
つまり、同じカメラでもレンズが違えば、実際に撮影できる映像は大きく変わります。
「焦点距離」とは?
防犯カメラの仕様を見ると、
2.8mm、3.6mm、4mm、6mm、12mm
などと記載されています。
これが「焦点距離」です。
基本的には、
焦点距離が短い → 広い範囲を撮影
焦点距離が長い → 狭い範囲を大きく撮影
と考えると分かりやすいでしょう。
例えば、2.8mmは店舗や住宅の入口などを広く撮影する用途に向いています。
一方、6mmや12mmなどになると撮影範囲は狭くなりますが、離れた対象をより大きく捉えやすくなります。
2.8mm・4mm・6mmでは何が違う?

ただし、実際の画角はカメラのイメージセンサーサイズなどによっても異なります。
「2.8mmなら必ず○度映る」というわけではないため、メーカーの仕様表を確認する必要があります。
広角レンズなら何でもよい?
「できるだけ広く撮影した方がお得なのでは?」
と思われるかもしれません。
しかし、必ずしもそうではありません。
広角レンズを使用すると広い範囲を撮影できますが、その分、一人ひとりの人物は小さく映ります。
例えば、駐車場全体を1台の広角カメラで撮影できても、遠くにいる人物の顔が数十ピクセル程度しかなければ、後から拡大しても十分な情報が得られない可能性があります。
防犯カメラでは、「映っている」ことと「確認できる」ことは別と考えることが重要です。

防犯カメラは「何を確認したいか」でレンズを選ぶ
レンズ選びで最も重要なのは、そのカメラで何を確認したいのかを決めることです。
例えば、
店舗全体の状況を確認したい
広い範囲を見渡したいので、広角寄りのレンズが適しています。
入口から入ってくる人物の顔を確認したい
撮影範囲だけでなく、入口を通過する人物が十分な大きさで映ることが重要です。
駐車場全体を確認したい
広角レンズが便利ですが、駐車場が広い場合には1台ですべてを撮影するより、複数台に分けた方が人物や車両を確認しやすくなる場合があります。
離れた門扉を確認したい
広角レンズでは門扉が小さく映ってしまいます。
この場合は焦点距離の長いレンズや、バリフォーカルカメラを検討します。
固定焦点レンズとは?
固定焦点レンズとは、焦点距離が固定されているレンズです。
例えば、
2.8mm
3.6mm
4mm
など、あらかじめ決められた画角で撮影します。
メリット
構造がシンプル
比較的価格を抑えやすい
設置後の調整が少ない
一般的な店舗、住宅、オフィスなどでは固定焦点レンズで十分なケースも多くあります。
バリフォーカルレンズとは?
バリフォーカルレンズは、焦点距離を一定の範囲で変更できるレンズです。
例えば、
2.7~13.5mm
などの範囲で調整できるカメラがあります。
広く撮影することも、特定の場所へ寄って撮影することもできます。
電動タイプでは、設置後にレコーダーやパソコンから画角を調整できる機種もあります。
こんな場所におすすめ
広い駐車場
工場
倉庫
長い通路
門扉
建物から離れた出入口
設置現場で実際の映像を確認しながら画角を調整できるのが大きなメリットです。
バリフォーカルとPTZは違う
ここは混同されやすいポイントです。
バリフォーカルカメラは焦点距離を変更できますが、基本的には設置時に最適な画角へ調整し、その範囲を監視する用途です。
一方、PTZカメラは、
Pan:左右
Tilt:上下
Zoom:ズーム
を操作して、監視方向そのものを変更できます。
「ズームできる=PTZ」というわけではありません。
デジタルズームと光学ズームの違い
防犯カメラでは「ズーム」という言葉にも注意が必要です。
光学ズーム
レンズの焦点距離を変えて被写体を大きくします。
そのため、遠くの対象を高い情報量を保ったまま撮影しやすいのが特徴です。
デジタルズーム
撮影済みの画像の一部分を電子的に拡大します。
スマートフォンで写真を拡大するのと似ています。
拡大すればするほど粗さが目立つため、「録画後にズームすれば何でも確認できる」わけではありません。
画素数が高くてもレンズ選びを間違えると意味がない
例えば、500万画素のカメラを設置したとします。
非常に広い範囲を撮影すれば、500万画素を広い画面全体で使うことになります。
その中に人物が小さく映っていれば、人物部分に使われている画素数はごく一部です。
一方、適切な焦点距離を選び、確認したい場所を十分な大きさで撮影すれば、人物や車両から得られる情報量を増やせます。
そのため、高画素カメラ+適切なレンズという組み合わせが重要です。
夜間撮影ではレンズだけでなく照明も重要
昼間にきれいに撮影できても、夜間に同じように撮影できるとは限りません。
夜間撮影では、
レンズ
イメージセンサー
赤外線
周囲の照明
スポットライト
被写体までの距離
なども影響します。
特に遠距離を撮影する場合、焦点距離だけ長くしても、赤外線や照明が対象まで十分に届かなければ鮮明な映像になりません。
夜間も重要な場所では、昼間と夜間の両方を想定したカメラ選びが必要です。
設置場所別・レンズ選びの考え方
一戸建て
玄関や勝手口では、比較的広角のレンズが使いやすいでしょう。
一方、道路側から門扉を狙う場合などは、少し長めの焦点距離が適することがあります。
コンビニ・店舗
売場全体なら広角、レジや出入口など特定の場所を確認する場合は、目的に合わせた画角にします。
工場・倉庫
製造ライン全体を見るカメラと、特定の作業場所を見るカメラでは必要なレンズが異なります。
駐車場
駐車場全体を把握するカメラと、出入口で車両を確認するカメラを分ける方法も有効です。
マンション・アパート
エントランスは人物確認、ゴミ置場は不法投棄の確認、駐車場は車両確認など、目的別に画角を設定します。

レンズ選びでよくある失敗
「とにかく広く映るカメラ」を選ぶ
広く映っていても、肝心の人物が小さすぎて確認できない場合があります。
画素数だけで選ぶ
4Kなどの高画素カメラでも、設置距離やレンズが適切でなければ期待した映像になりません。
昼間の映像だけで決める
夜になると照明条件が大きく変わります。
カメラ台数を減らすために広角にしすぎる
1台で無理に広範囲をカバーするより、カメラを複数台に分けた方が、証拠として役立つ映像を残せる場合があります。
「何mmがいい?」だけでは決められない
お客様から、「防犯カメラは何mmのレンズがいいですか?」と聞かれることがあります。
しかし、焦点距離だけでは最適なレンズを決められません。
確認したいのは、
カメラから対象までの距離
撮影したい横幅
人物をどの程度大きく映したいか
カメラの設置高さ
イメージセンサー
昼夜の明るさ
撮影目的
などです。
そのため、実際の防犯カメラ工事では、現地を確認してレンズや設置位置を決めることが非常に重要です。
まとめ|レンズは「広さ」ではなく「目的」で選ぶ
防犯カメラのレンズ選びでは、
焦点距離が短い=広角
焦点距離が長い=望遠寄り
という基本を覚えておくと分かりやすいでしょう。
ただし、「広く映るから2.8mm」「遠くを見るから12mm」という数字だけで決めるのではなく、そのカメラで何を確認したいのかを最初に決めることが大切です。
防犯カメラは、「映っている」だけでは意味がありません。
万が一のときに、人物や車両、行動など、必要な情報を確認できる映像になっているかが重要です。
関東セキュリティでは、設置場所や対象までの距離、必要な撮影範囲などを確認し、カメラ本体だけでなくレンズや設置位置まで含めたシステムをご提案しています。



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